日本に稲作が伝わり、本格的な農業が始まった時代を弥生時代という。弥生時代は、紀元前４世紀ごろから紀元前３世紀まで続いた。
稲作
中国で発達した稲作は、朝鮮半島の渡来人を通して九州から広がりました。稲作は温暖な西日本を中心に、やがて東日本の各地でも行われるようになりました。ここから集落ことムラが形成されることとなります。
川から田に水を引いて、稲を石包丁（磨製石器）で摘んで高床倉庫に蓄えました。
道具
中国からは、稲作とともに青銅器や鉄器も伝わりました。青銅器には、銅鏡、銅剣、銅矛、銅鐸などがあります。
鉄は当時貴重品で、土木用の桑や、木を削るための斧の刃先などに使われました。
土器に関して、それまでの縄文土器に代わってより実用的な堅焼きの弥生土器が誕生しました。
ムラ・クニ
稲作が広まることで、安定した食料が得られるようになり、人口も増えました。すると、土地や米を巡った争いが勃発するようになりました。このため、ムラには指導者が現れ、ムラの周りに溝を掘りました。ムラ同士が争いを繰り返すうちに、力の強いムラが弱いムラを統制する形になりました。
併合されてムラはクニとなり、ムラの指導者はクニの王へと成長していきました。
漢の歴史書などには、漢の時代に日本には100あまりの小国があったことや、１世紀中頃で、倭の奴の国王が漢の皇帝に使節を送って、金印をもらって王の地位を認められたことなどの記述が見つかっています。
この形で最たる例が邪馬台国で、３世紀の時点で、女王の卑弥呼が魏の皇帝に使節を送って、金印や銅鏡をもらっていました。また、邪馬台国には身分があり、農業などの産業が盛んで、税の仕組みまでもが存在したとされています。